AIで作ったバナーは背景もイラストもきれいなのに、肝心のキャッチコピーだけが「SLAE」のように崩れてしまう。画像生成を使ったことのある方なら、一度はこの文字化けに出会ったことがあると思います。SNSのサムネイル、セールバナー、イベント告知。文字が必要な場面ほど、この崩れはストレスになります。
わたしはこの相談をとてもよく受けます。そして毎回お伝えしているのは、文字化けの大半はAIの性能ではなく「指示の出し方」で防げる、ということです。
結論
鍵は4つです。入れたい文字を「引用符で囲む」。文字列を「短く」保つ。「大きく・高コントラスト」に描かせる。文字サイズは「2〜3種類まで」に抑える。この4点を押さえるだけで、初回からきれいに文字が入る確率がぐっと上がります。
順番に、なぜそうなるのかと、具体的なやり方を見ていきます。
なぜ「指示の出し方」で直るのか
理由を3つに分けて説明します。
ひとつめは、AIにとって「文字」と「文章の意味」が別物だからです。引用符で囲まない文字列は、AIが意味を汲んで「それっぽく言い換えて」描いてしまうことがあります。"SUMMER SALE" とダブルクォートで囲むと、「この並びの文字を一字一句そのまま描いて」という合図になり、勝手な改変が起きにくくなります。
ふたつめは、画像生成が文字を「形」として後から解像していく仕組みだからです。小さな文字は使えるピクセルが少なく、字形が定まる前に処理が終わってしまいます。大きく描かせるほど一文字ずつの形がはっきり解像されます。背景がごちゃついていると、その分だけ文字に回るピクセルも奪われます。
みっつめは、コントラストが曖昧さを減らすからです。白地に黒、黒地に白のように明度差をはっきりつけると、AIが「どこからどこまでが文字か」を判断しやすくなり、にじみや崩れが減ります。
文字をきれいに入れる5つのステップ
文字は引用符で囲む
「夏のセールのポスター」ではなく、上部に "夏のセール" の文字を入れる のように、描かせたい文字列そのものを引用符で明示します。これが最も効く一手です。
文字列は短く保つ
1つの文字列は6語以下、理想は1〜3語です。長い文章をそのまま入れようとすると崩れやすいので、「見出し」「ひと言サブコピー」「数字」程度に絞ってください。日本語の長文や複雑な縦書きは特に崩れやすいので、短いキャッチに割り切るのが安全です。
大きく・太く描かせる
bold large title(太く大きな見出し)、high legibility(高い視認性)といった語を添え、背景は無地に近づけます。文字に十分なスペースを与えるイメージです。
文字サイズは2〜3種類まで
1枚に多くのサイズを混ぜると一貫性が落ち、見出しは完璧でも下部の小さなラベルだけ文字化けする、ということが起きます。「大きな見出し+サブ1つ+数字1つ」くらいが安定します。
崩れたら部分修正
全体を作り直すのではなく、崩れた文字部分だけを「Inpaint(部分再生成)」や画像編集機能で直すのが手早い方法です。あるいは、その文字列をさらに短く分割して入れ直します。
文字入れプロンプトの具体例
夏物セールのバナーを作る場面を例にします(以下はあくまで例示です)。
| 項目 | 崩れやすい指示 | 組み直した指示 |
|---|---|---|
| 文字の指定 | 「最大70%オフって書いて」 | 中央に大きく “SUMMER SALE”、下に “最大70%OFF” |
| 引用符 | なし(言い換え・重複が起きやすい) | あり(一字一句そのまま描く合図) |
| 文字数・サイズ | 情報過多・サイズばらつき | 見出し+サブの2種に限定 |
| 背景 | 指定なし | 無地ネイビー×白文字で高コントラスト |
| 制約 | なし | 「正確に・余計な語を足さない・重複なし」 |
同じツールでも、右側の指示に組み直すだけで初回の成功率が変わります。
コピペして使えるプロンプト(文字入りポスター/バナー)
そのまま貼り付け、〔 〕を置き換えて使ってください。
あなたはプロのグラフィックデザイナーです。読者がそのまま使える、文字の正確な〔セールバナー/イベント告知/採用ポスター など用途〕を1枚デザインしてください。
# 入れる文字(この通りに正確に描くこと)
- メイン見出し: "〔SUMMER SALE など短い英字または日本語〕"
- サブコピー: "〔最大70%OFF など1行〕"
- 数字や日付など: "〔7/1-7/7〕"(不要なら削除)
# レイアウトと配色
- アスペクト比: 〔16:9/1:1/3:1 など媒体に合わせる〕
- 配置: メイン見出しは中央上、サブはその下、数字は下部に。文字サイズは2〜3種類まで。
- 背景: 無地に近く、文字との明度差をはっきり(例: 背景 #1B2A4A ネイビー、文字 #FFFFFF ホワイト、差し色 #F5B301 アンバー)
- スタイル: clean background, bold large title, high contrast, professional poster, accurate typography, centered layout
# 厳守するルール
- 上記の文字は一字一句そのまま描く(render the text exactly / verbatim)。
- 余計な語を足さない(no extra words)。同じ文字を重複させない(no duplicate text)。
- NG要素: garbled text, misspelled words, duplicated text, tiny cluttered text, watermark, logo
# 仕上げ
- もし文字 "〔SUMMER SALE〕" が崩れたら、その文字部分だけを部分再生成(inpaint)して直してください。
使い方は次の4ステップです。
- 〔 〕の用途と「入れる文字」を、実際の文言に置き換えます。文字は必ずダブルクォートのまま残してください。
- まずは無地背景・大きな文字で試作します。ここで全体の配置を確認します。
- 文字化けが出たら、その文字列をさらに短くするか、崩れた箇所だけ部分再生成で直します。
- 最後に配色HEXとアスペクト比を、投稿先の媒体(Xなら16:9、Instagramなら1:1など)に合わせて確定します。
文字入れ前チェックリスト
- 入れたい文字を引用符(” ”)で囲んだか。
- 1つの文字列は6語以下(理想1〜3語)に収まっているか。
- 文字サイズは2〜3種類までに抑えたか。
- 背景は無地寄りで、文字との明度差をつけたか。
- 「正確に描く・余計な語を足さない・重複させない」を指示に入れたか。
- 崩れた時の対処(部分再生成・短縮)を想定できているか。
迷ったときの無難な配色も置いておきます。背景 #1B2A4A(ネイビー)/文字 #FFFFFF(ホワイト)/差し色 #F5B301(アンバー)。明度差が大きく、文字が読みやすい組み合わせです。
実務上の注意
文字描画の精度はモデルによって差があります。たとえば ChatGPT Images 2.0 は日本語を含む文字の描画が向上し、短いキャッチコピーならほぼ正確に出せると報告されています。Ideogram系は短い文字列や看板・ポスター風の描画に強いとされています。一方で、長文や小さな文字、3種類以上のサイズ混在は、どのモデルでも崩れやすいのが現状です。重要な告知物は、必ず生成後に「文字が正しいか」を人の目で読み合わせてください。
商用利用の面では、生成画像をそのまま広告やバナーに使う場合、利用するツールの規約・商用利用条件を確認することが大切です。フォントの見た目を特定ブランドのロゴに似せる指示は、商標の観点から避けるのが無難です。社外秘の数値やキャンペーン情報をプロンプトに入れる際は、機密情報の扱いにも気を配ってください。
文字入れが安定すると用途が広がる
文字を正確に入れられると、画像生成はそのまま「バナー作成」「告知ポスター」へと用途が広がります。
わたしたちが運営しているilluminAI(イルミンエーアイ)も、日本語に対応した画像生成から動画生成までを一つの画面で扱えるサービスです。無料プランから試せて、商用利用にも対応しています。料金や仕様は変わりうるので、最新は公式サイト(https://illumin-ai.io )でご確認ください。
SNSのサムネイルや広告素材づくりに、今日の文字入れのコツと合わせて使ってみてください。
文字化けは「指示のクセ」によって引き起こされます。引用符・短く・大きく・高コントラスト。この4つを思い出すだけで、明日からのバナー作りがずいぶん楽になるはずです。ぜひ試してみてください!
